【自然観察】オール・ユー・ニード・イズ・アブ【ビロードツリアブ vol.1】

こんにちは!isakumaです。

「自然観察」のコーナーでは、僕の日頃の自然観察の模様をご紹介しています。

 


十勝は17日、18日と最高気温が20℃を超え、6月並みの陽気となりました。季節外れの陽気・寒気は某氏の長距離移動と関係していると言われているため、今回も気になって調べてみましたが、そんなことはなかったぜ!

 

閑話休題。温かい日差しに恵まれると、活発に動き出す生きものがたくさんいます。花を訪れる昆虫たちもそのひとつです。彼らを探しに、昼休みに公園へ出かけてみました。

林床を照らすキバナノアマナ

しゃん立つエゾエンゴサク

モノトーンで存在感を放つアズマイチゲ

公園脇に自転車を止めるやいなや、前回ご紹介したキバナノアマナ、そしてエゾエンゴサク、アズマイチゲが目に飛び込んできました。すくっと立ち上がって咲いて、さんさんと陽の光を浴びています。美しい…(次回以降で取り上げよ)

で、だ。この春のお花畑で目を皿にして探すと見つけられる「ヤツ」が今回のお目当てなのですが・・・。うーん、最近視力が落ちていて「ファインダーを覗いて→顔を上げて」をくりかえすとドーモ目がチカチカしtいたーーーーーーー!!!!!

哺乳類を思わせるフサフサ、ふわふわの毛。長いくちばし(正しくは口吻)。体の前後に放り出された投げやり気味な脚。間違いありません。ビロードツリアブです。

名は体を表す。ビロードというのはなめらかな触り心地の織物のこと。ほらあれだよ、ピアノに被さってるえんじ色の布あんじゃん。あれあれ。そのビロードのような体毛を持つことを表した名前で…すね…。

しまった・・・触りごこちを確かめるの忘れた。。宿題だな・・・

そして「ツリアブ」の部分もこの昆虫をよく表しています。この昆虫は巧みにホバリング(空中静止)をするため、野外で見かけるとまるで天井から吊り下げられているように見えるのです。また、花から飛び立つ時にぴょいーーーんと真上に飛び上がってから横方向へ移動することがあり、まるで勢いよく釣り上げられた魚のような軌道をとります。これがおもしろいんだよなぁ。

ぴょいーーーん、と真上へ飛ぶ。

ビロードツリアブの成虫は春先から初夏までのみ見られ、その他の季節は幼虫のみが活動しています。この春の時期は、成虫たちが盛んに花を訪れ、長い口吻を巧みに操って、蜜を吸っていきます。

写真を撮っていて気づいたのですが、背中に花粉が輝いていました。

ここで、ハッとしてカメラを下ろし、花畑を再度見渡しました。そうか、わざわざ言うほどでもない、ほんとうに当たり前のことだけど、こうしてアブたちが蜜を吸って花粉を運ぶから花たちの子孫が生まれて、いまの目の前の花畑があるんだよな・・・。

ビロードツリアブだけではなく、より大型のアブたちも盛んに花を訪れていた。

「チュウバイカハホウカコンチュウニヨルソウフンサービスニイゾンシテジュフンヲオコナウ(虫媒花は訪花昆虫による送粉サービスに依存して受粉を行う)

 

と、花畑を前にして暗唱してみる。

生態学では当たり前のように唱えられていること。そして、子供のころから何度も目にしてきた光景のはずだった。だけど当たり前過ぎて、今この時ほど、アブたちの営みの意味を強く実感することはこれまでなかった。はぁ。。。これだから自然観察はやめられないわ。

いやー、まさか、アブの観察で泣くとは思わなかった。。(苦笑

 

でもこの季節にこの公園へ来て、本当に良かったと思いました。身近な生きものたちは当たり前に生きていて、”生きるとはなんぞや”ということの一端を、いつでも見せてくれる。アブたちだってそう。

 

だから、レジャーシートにアブが飛んできても大目に見てやってね。。(涙

温まっててさぁ、色鮮やかでさぁ、花と間違えたんだよきっと。。

 

また疲れたら・・・アブ見に行こ。

 

おわり

isakuma

五感で身近な自然を味わって暮らすひと。北海道・十勝に生息。こだわりなく、生きもの全般が好き。博士(農学)。専門はエゾシカの生態。趣味はバードウォッチング。自然観察指導員(日本自然保護協会NACS-J 会員 )。暮らしを楽しくする自然観察を広めることが夢です。ポリシーは「健康第一」。

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