【自然観察】さよならの歌【ツグミ vol.02】
こんにちは!isakumaです。
「自然観察」のコーナーでは、私の日頃の自然観察の模様をご紹介しています。
いよいよ平成が終わりますね。先程、退位礼正殿の儀の中継をTVで見て、時代の暮を強く実感しました。明日から上皇になられる明仁さまには、穏やかな日々を送っていただきたいと願うばかりです。象徴としてのお務めを30年余り続けていただいたことに対して、いち国民として心から感謝申し上げます。
閑話休題。平成最後の自然観察のお話は、以前ご紹介した野鳥のツグミの第2段です。
今、第一線で活躍されている方の中には、地道に下積み時代を送った方が多いと思います。春の梢でさえずる鳥たちもはじめから上手に歌えるわけではなく、何度も何度も下手な歌を人知れず(鳥知れず?)歌ってきた経緯があります。
鳥の中でもツグミの仲間は、複雑なフレーズを可憐な声で歌い上げるためバードウォッチャーたちに人気があります。日本でも春から夏にかけて、アカハラ、クロツグミなどのさえずりを楽しむことができます。ツグミの仲間といえば、「ツグミ」という名の種もいます。以前このブログでもご紹介しました。
彼らは残念ながら日本で繁殖しないので、オスがメスにアピールするための歌である「さえずり」を日本で聞く機会はほとんどありません。しかし、その下積み時代の声「ぐぜり」を聴くことはできます。十勝では4月の終わり頃~5月頭がそのチャンスです。
最近、運良くツグミのインディーズ時代の音源を入手(録音)できたので、その声をご紹介します。公園の木のこずえでくぜっているツグミにスマホのボイスレコーダーを向けて録音しました。
・再生時間3~6秒のあいだ、カラスの声と救急車の音が入る直前までの音
・12~22秒のあいだ、「ぴょぴょ、ぴょぴょ、ぷるるっ」という音
・・・がツグミの声です。それでは、再生ボタンをクリックして、どうぞ。
・・・はい。まぁ、下積み時代は誰しもパッとしないものです。
これから何度もくりかえし練習して、繁殖地で高らかに歌うようになるのです。
十勝では、この「ぐぜり」の声が聞こえ始めると、そろそろツグミとはお別れの季節になります。ツグミのシベリアへの旅(春の渡り)が本格的になるためです。
ツグミの、森林のスター歌手としてのポテンシャルを垣間見ることしかできない日本の春。帰り際、北への旅の本番を告げる「さよならの歌」が、耳の中で反響しました。
おわり
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