【自然観察】山菜のあじは春のあじ【クサソテツ vol.01】

こんにちは!isakumaです。

「自然観察」のコーナーでは、十勝での自然観察の模様をご紹介しています。


「観察」とは「観(み)て察する」と書き、物事の性質を知覚してその正体や意味について考える事を指します。いくつかの辞書では「観察」の項に「物事を注意深く見て・・・」と書いてありますが、人間は五感を使って物事を理解することができる生きものですので、厳密には視覚のほかに味覚、嗅覚、聴覚、触覚で物事を感じ取っています。レジャーや教育などで自然を観察するとき、私たちは視覚に頼りがちですが、裏を返せば、ほかの4つの感じ方を使わずに終わってしまっている、ということでもあります(もちろん、安全上の問題や物理的に触れない、味わえないって物も多いですが)。その点、食べれる生きものってすげーよな。だって味覚で観察できるチャンスがあるんだもの。

というわけで、今日ご紹介する野生生物は春の山菜の一つ、クサソテツです。山菜としてはコゴミの名で有名です。

ぐるぐる葉っぱのクサソテツ。この巻かれた葉が若葉だ。

クサソテツは日本全国で見られるシダ植物のなかまで、人の手があまり入っていない林で見ることができます。観葉植物としても使われているらしく、そういえばやたらアジアンなお宅の庭にしれっと植えられていたような気がします。十勝地域でも、近場の林でごく普通に見られます。今回は川沿いに自転車を走らせて、無事見つけることができました。

コゴミはクサソテツの若葉のことで、のちに展開する葉の折り畳まれた状態のものを指します。ゼンマイのようにぐるぐる巻きです。

地際で切る。このとき、葉を何枚か残すことで、この株も繁殖に参加できる可能性を残すことができる。

これが伸びると美味しくなくなるので、あまり伸びていないものを選んで、いただきます。山菜を採りすぎると翌年からなくなってしまうので、とりすぎ注意。僕は食べごろの株を見つけても、2回に1回は諦めるようにしています。また、今回は僕が食べる分を穫れば良いので3~4株ほどにとどめ、さらに複数ある葉のうち半数を残すようにしました。こうすれば、残された葉から胞子が出ることで、僕が収穫した株も繁殖に参加できる可能性が残されます。

あとはルンルン気分でチャリ漕いで帰るのみ。カゴの中で揺れる葉が楽しい。

家についたらコゴミを流水でしっかり洗って

洗われたコゴミ。この時点でほんの少しだけおいしそうな香りがする。

沸騰させた湯でサッとゆでます。

2~3分煮沸した。仮にエキノコックスの虫卵がついていたとしても、この処理で不活性化できる。

適当に皿に盛って(適当すぎる)、マヨネーズ+しょうゆでいただきます。おひたしにしてもOK。味付けはあくまで山菜の個性を失わない程度に、ちょびっと、ほんとにちょびっとだけつけます。逆に何もつけないとちょっと物足りないです(あくまで個人の感想です)。

黒いお皿に載せるとコゴミの緑が映える。左上はスープはるさめの残り汁で作ったおじや。

早速いただきます。マヨしょうゆが舌の上にコゴミを招待してくれます。丁寧に噛むと、マヨしょうゆの向こうからコゴミの温かい汁が口の中をゆっくり広がってきます。アクのない、それでいて無個性でもない旨味が、舌の上を静かに染み渡ります。おいしい

ふきのとうで作ったふき味噌を味わったときは、ただただそのインパクトに驚くばかりでしたが、コゴミの味はパンチがなく、どちらかというと味覚を撫でられるようなやさしい感覚を覚えます。このうまみを糧にして、コゴミの葉は広がっていくのか・・・と体が理解します。

(ひょっとしたら「胞子のう」の味なのかも知れないけど)

コゴミの獲り頃はまだほんのちょっと続きます。味覚で春を味わうの、楽しいですよ~。

 

おわり

 

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isakuma

五感で身近な自然を味わって暮らすひと。北海道・十勝に生息。こだわりなく、生きもの全般が好き。博士(農学)。専門はエゾシカの生態。趣味はバードウォッチング。自然観察指導員(日本自然保護協会NACS-J 会員 )。暮らしを楽しくする自然観察を広めることが夢です。ポリシーは「健康第一」。

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