【愛鳥週間】”なにもしない” という選択肢【わたしの意見】

 
こんにちは!isakumaです。
今回はめずらしく、野生動物に対するわたし個人の意見について書きたいと思います。賛成や同調を求める目的で書いたものではありませんので、肩の力を抜いて呼んでいただければ幸いです(*´Д`)
 

 
5月10日から16日は愛鳥週間とよばれる期間です。公益財団法人 日本鳥類保護連盟がさだめたもので、野鳥を通してそれを取り巻く環境の自然保護の大切さを知り広めていくことを目的としています。(参考: http://www.env.go.jp/nature/lovebird/birdweek/index.html)
 
今回は、自然を愛する方々が愛鳥週間をどう過ごすと有意義か、について考え、ひょっとして「なにもしない」という方法もアリなんじゃないか、というお話をします。
 
愛鳥週間をきっかけに「野鳥のために何かしよう!」と思うのはごく自然なこと。しかし残念ながら、私たちがとる行動によっては、自然を大切にしたい思いとは裏腹に、かえって野鳥に良くない結果をもたらすこともあります。
 
たとえば・・・
 
・野鳥への餌やり、餌付け
・ヒナを拾う、保護する
 
といった行動です。
 
・野鳥への餌やり、餌付け
→ 野鳥は自分やヒナが必要とするエサを自分で探して食べることができます。その一方で人間が野鳥にエサを見せると、エサを探す手間がはぶけることで、人間が示すエサばかりを利用するクセがつく場合があります。見かけ上、野鳥に対して愛のある行為に見えますが、野鳥の餌が偏ってしまう、季節の”渡り”をうまくできなくなる、野鳥が嫌いな人の元へも飛んでいって他人に迷惑がかかる、といった、野鳥や第三者にとって好ましくない状況をつくる恐れがあります。餌やり、餌付けが野生動物に与える影響を調べる研究は発展途上であるため、こうした行為が高い確率で悪い結果をもたらすかどうかはまだはっきりしていません。しかし、他にも行動の選択肢がある中で、悪影響をもたらす恐れがある行為をわざわざ選ぶことに本当に愛があるのか?というと、個人的には疑問を感じずにはいられません。
 
 
・ヒナを拾う、保護する
→繁殖をする野鳥の中には、愛鳥週間のタイミングで巣立ちをする種がいます。巣立ちして間もないヒナはうまく飛べず、木から落ちて地上でうずくまっていたりすることがあります。これを見かけた方がヒナを家へ持って帰り、「保護する」という話が毎年聞かれます。ヒナを放っておけない、守りたいという心優しい気持ちが動機になっているのだと思います。その心意気に対してわたしは心から敬意を表します。一方で、残念ながらヒナを拾うという行為が野鳥に良くない結果をもたらす可能性があることもお伝えしなければなりません。ヒナがじっとしているという状況では、多くの場合、その近くに親鳥がいることが多いと考えられています。親鳥は大きくなったヒナを運ぶことができず、かといって簡単には見捨てることもせずに、その様子を見守っています。なぜなら、ヒナは羽ばたきながら木の幹を駆け上がったり、枝から枝へと少しずつ移動する力が備わっているからです。ヒナが動き出すのを親鳥が見守っている最中に、人間がヒナを拾ってしまうと、そこで子育てが終わってしまいます。「保護のつもりが拉致でした」となってしまっては笑えません…。
 
野生動物は勝手に生きていきます。
基本的に人間が手を貸さずともよいものです。
そういう生きものであるということを、愛鳥週間をきっかけに思い出していただければ幸いです。
 

殺伐とした記事にドヤ顔シマエナガがっ!

 
・・・とはいえ
 
・・・とはいえですよ。
 
生きものが好きだし鳥が好きだし、なにか意味のあることをしたい。
 
という方も多いと思います。
 
できることはたくさんあります。それもご紹介します。
 
広辞苑を開くと、愛鳥週間の「愛」の意味の一つに「思いやり」と書かれています。
「思いやり」とは「①想像。②気のつくこと。思慮。 ③相手の立場や気持ちについて理解しようとする心」とあります。
 
したがって、野鳥について理解を深めて、野鳥にとって都合の良いことを想像し、可能であればそれを実行に移すということが、早道かもしれません。
 
プロのバードウォッチャーの解説を聞きながらバードウォッチングができれば、野鳥について理解を深め、きっと野鳥のために何ができるのかを教えててくれると思います。
 
もしバードウォッチングへの参加が難しければ、博物館、図書館、動物園で野鳥について調べてみるとよいでしょう。博物館や動物園には実物(標本もしくは展示動物)があります。図書館は絵本、図鑑、読み物など、学習を助けるためにさまざまな切り口を用意してくれています。
 
鳥について分かってくると、わたし達が鳥のためにできることの多くは、鳥そのものではなく彼らが暮らす環境に対するアクションだということが見えてくるでしょう。そうしたら、次に取るべき行動も自ずと分かってきます。
 
ただし、最後まで「なにもしない」という選択肢も残すべきだと思います。悪影響をもたらす恐れがあることならば、不安が残るなら、何もしないほうがベターかもしれません。
 
朝起きて、窓を開ければスズメが慌ただしく飛び交い、電線からはムクドリの声、林の方からはヒヨドリの声が聞こえてきます。川沿いの林ではオオタカがオシドリを押さえつけ、キビタキのオス同士が激しく争い合っています。砂浜を走るシギやチドリたち、休んでいるのか餌を探しているのか、海面を漂っている海鳥たち。
 
鳥たちと人間との距離感が良いものになりますように。みなさんにとって愛鳥週間が、そのきっかけになりますように。
 
 
おわり

isakuma

五感で身近な自然を味わって暮らすひと。北海道・十勝に生息。こだわりなく、生きもの全般が好き。博士(農学)。専門はエゾシカの生態。趣味はバードウォッチング。自然観察指導員(日本自然保護協会NACS-J 会員 )。暮らしを楽しくする自然観察を広めることが夢です。ポリシーは「健康第一」。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です