【Field Work】春の予習をしよう!_その2【2020-02-27】
前回のふきのとうに続き、今回も春が見ごろの生きものをご紹介!
まずはこちらを見てほしい。
多くの人にとっては聞き慣れない音が流れているが、詳しい人にはカエルの声であることが分かると思う。声の主はこういう姿だ。
彼らはエゾアカガエル。本州に広く生息するアカガエルと同じ、アカガエル科のなかまだ。1990年代に学名が付けられたカエルで、その学名はアイヌ語に由来しているんだけど、そーいうことは他の方々がとっくの昔に解説しているので自分で探してみて!笑
エゾアカガエルは本州のアカガエルよりは少し遅れて、初春に産卵をする。春の陽気によるけど、3月末~4月初旬ごろにピークが来ることが多いようだ。tenki.jpによると2020年の北海道の春は例年より早いようなので、今年は例年より早めに産卵が始まるかもしれない。予想が当たるかどうか、3月の終わり頃からフィールドに出ないとなぁ。うえっへっへ( ´∀`)
エゾアカガエルたちの産卵の準備が整うと、氷が溶けた水たまりにオスたちが集まり始める。そして、冒頭の動画のように鳴きはじめ、メスを呼び寄せるのだ。冒頭の動画をよく見てみると、少なくとも3頭のカエルが登場するのが分かる。まず、画面中央でカエル2頭が密着していて、その後、片方のカエルが3頭目の方に寄っていく。動画をはじめから最後まで見てみると、3頭すべてが鳴き袋を膨らませていることが分かる。つまり、3頭ともオスなのだ。せつない(;´Д`)
無事に産卵と受精が終わると、↑のような卵塊が水たまりのあちこちで見られるようになる。すくってみるとしっかりとまとまっているのが分かる。これでメス1頭分の産卵量だ。どうやってこの体積の卵塊が、メスの体の中におさまっているのだろう?それは4月以降の記事を待っていてほしい。
さて、エゾアカガエルの産卵を観察するために、今からできる準備はなんだろうか?長靴を買って…という準備も大事だけど、肝要なのは産卵場所を押さえることだろう。初春に水たまりができるところといえば、日当たりの良い場所。なかでも、エゾアカガエルたちが伝ってやってくるための森林が接している場所が狙い目だ。具体的には森や林に接している、南向きの斜面や、原っぱの端などが良いのではないだろうか。湧き水の流れる穏やかな川の水辺でも産卵が見られる。川の位置や等高線が分かる地理院地図で探してみるのがオススメだ。
産卵のピーク時には文字通り「カエルの大合唱」が起こる。産卵場所に目星をつけたら目を閉じて、耳を頼りに冒頭の動画の声を探してみよう。きっと、春のはじまりの音が聞こえてくるだろう。
おわり
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